肥満で嫌われるのはやもえないが深刻なのは死亡リスクの急上昇!
太っているだけで、人間関係にも支障をきたすことがあると聞けば驚くかもしれない。実際、肥満に対する社会的偏見は根強く、職場や日常生活での評価に影響するという研究報告も存在する。しかしそれ以上に深刻なのが、体脂肪が引き起こす「見えないリスク」だ。
フィンランドで行われた研究では、BMI値の上昇に伴い死亡リスクが段階的に高まり、重度の肥満では最大約3.5倍にまで跳ね上がることが明らかになっている。また医学誌「ランセット」は、肥満の人は感染症にかかる頻度が高いだけでなく、症状がより急速に進行すると報告している。感染症による死亡の約10人に1人に、肥満が関係している可能性があるとも言われているほどだ。
では、なぜ体脂肪が多いだけでここまでの影響が出るのか。理由は主に3つある。
1つ目は「慢性的な炎症」だ。
脂肪組織はただのエネルギー貯蔵庫ではなく、炎症を促進する物質を継続的に分泌する。その結果、体内では常に低レベルの炎症状態が続き、疲れやすさや回復力の低下につながる。
2つ目は「免疫機能の低下」だ。
体脂肪が増えると免疫細胞の働きが鈍くなり、感染症への抵抗力が落ちる。

腸内環境の悪化もこれと深く関係しており、腸内細菌のバランスが崩れると免疫システム全体のパフォーマンスが下がることがわかっている。腸は全免疫細胞の約70%が集中する場所であり、腸内環境の乱れは体脂肪の増加とも相互に影響し合う。
3つ目は「血糖値の慢性的な乱れ」だ。
体脂肪が増えるとインスリンの働きが低下し、血糖値が高い状態が続きやすくなる。高血糖の環境は細菌やウイルスが増殖しやすく、体への負担をさらに大きくする。


