なぜあなたは風邪を引きやすいのか ? 感染を防ぐ新常識!

最近、インフルエンザの流行や激しい寒暖差の影響で、「今年に入ってすでに2回も体調を崩した」「鼻水や喉の痛みが繰り返し出る」という声をよく耳にします。一方で、周りを見渡すと、どんな季節でも元気で風邪をほとんど引かない人もいます。この差は一体どこから来るのでしょうか。

風邪の原因として代表的なのがライノウイルスです。このウイルスが鼻に侵入すると、鼻の粘膜細胞が持つ抗ウイルス防御システムが即座に動き出します。

2026年に学術誌「Cell Press Blue」で発表されたイェール大学の研究では、この「最初の反応の速さ」こそが、風邪を引くかどうか、また重症化するかどうかを左右する鍵だと明らかになりました。

ウイルスを検知した鼻の細胞は、インターフェロンというタンパク質を分泌します。このインターフェロンは感染した細胞だけでなく、周囲の健康な細胞の防御機能まで連鎖的に活性化させます。

研究データによれば、インターフェロンが正常に機能している場合、ウイルス感染はわずか2%程度に抑えられ、症状が出ないまま自然に回復します。ところが、インターフェロンの働きを薬で意図的にブロックした実験では、ウイルスの増殖が40倍に跳ね上がり、感染細胞の割合は30%にまで達しました。風邪を引きやすい人は、この初動反応が遅れることでウイルスの侵入を許してしまっているのです。

防御が間に合わなかった場合、体は次の手段として炎症反応を起こします。鼻の細胞内でインフラマソームというセンサーが作動し、インターロイキン-1βと呼ばれる強力な炎症物質が放出されます。これが好中球を呼び寄せ、鼻水・腫れ・痛みといったいわゆる「風邪の症状」を引き起こします。つまり、ひどい症状が出ている状態は、すでにインターフェロンによるスマートな防御が失敗し、体が総力戦を強いられているサインです。

さらに感染が長引くと、鼻の粘膜に「扁平上皮化」という変化が生じます。本来、鼻の粘膜には繊毛と呼ばれる細い毛が生えており、異物をベルトコンベアのように外へ押し出す自浄作用を担っています。しかしウイルスによるダメージが蓄積すると、粘膜が皮膚に近い扁平な細胞へと変化し、繊毛が失われてしまいます。その結果、慢性的な炎症や風邪の繰り返しという悪循環に陥りやすくなります。

この悪循環を断ち切るために、今日から取り組めることがあります。まず意識したいのが鼻呼吸です。口呼吸と比べて鼻の粘膜環境が保たれやすく、インターフェロンの立ち上がりが速くなることが分かっています。また、ネティポットを使った鼻うがいも有効で、ウイルスを物理的に洗い流しながら粘膜の湿潤状態を維持できます。