現代の高齢化社会で欠かせない認知症の予防には?

高齢化社会で「換気」こそ認知症予防に欠かせない!

若年性アルツハイマー病

出典;sayama-ns.com


脳に良いサプリメントを探す前に、実は誰でも今すぐできる認知症予防法があります。それは「換気」です。拍子抜けしましたか?実はとても大切な要素なんです。科学的根拠に基づいた重要な予防策なのです。

2025年には65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になると推測されており、認知症リスクを下げる取り組みが急務となっています。2020年の医学研究では、大気汚染を含む12項目の危険因子を修正すれば、認知症の40%は予防や進行を遅らせることができると報告されました。

 

私たちは1日の約75%を室内で過ごしており、驚くことに室内の空気は外の大気よりも2〜5倍汚れているという調査結果があります。つまり、脳を守るために最初に見直すべきは「家の空気の質」なのです。

料理中にガスコンロを換気なしで使用すると、二酸化窒素やPM2.5などの有害な微粒子が充満し、屋外基準の100倍以上になることもあります。さらに掃除用品や消毒液からも化学物質が放出され、知らないうちに室内の空気を汚染しています。

 

PM2.5は直径2.5マイクロメートル以下の微細な粒子で、髪の毛の太さの約30分の1という目に見えないサイズです。この微粒子は肺の奥まで到達し、血流を通じて全身を巡ります。さらに恐ろしいことに、嗅神経経路を通じて直接脳に侵入する可能性があります。

 

脳に侵入したPM2.5に対し、「脳の掃除屋さん」と呼ばれるミクログリアや「神経のサポート役」アストロサイトが過剰反応すると炎症を起こし、逆に神経細胞を傷つけてしまいます。この慢性的な炎症により神経細胞が破壊され、記憶を司る海馬が萎縮し、最終的に認知症へと発展する危険性があります。

 

世界中の研究データが警鐘を鳴らしています。ケンブリッジ大学の2025年の研究では、PM2.5が1㎥あたり1μg増えるごとに認知症リスクが3%上昇することが判明しました。また、カナダの研究では主要道路から50m以内に住む人は、200m以上離れて住む人と比べて認知症リスクが7%増加すると報告されています。

 

しかし朗報もあります。米国環境保護庁(EPA)の基準より汚染レベルをわずか10%改善しただけで、認知症リスクが最大26%も低下したという研究結果が出ているのです。