腸の排便スイッチが見つかりました!
赤ちゃんや小さなお子さんが便秘になったとき、お腹を「の」の字にマッサージしたことはありませんか?あるいは、自分が子どもの頃にお母さんやおばあちゃんにお腹をぐるぐるとさすってもらった記憶がある方もいるかもしれません。
「物理的に便を押しているから出やすくなるのかな?」と漠然と思っていた方も多いでしょう。ところが2025年の研究によって、腸もみには明確な科学的根拠があることが判明しました。便秘薬に頼らず、腸の排便スイッチをONにするその仕組みを紹介します。
私たちの腸には約5億個もの神経細胞が存在しており、脳を除けば体の中でトップクラスの数を誇ります。これらの神経細胞は「腸管神経系(ENS)」というチームを形成し、驚くことに脳から命令を受けなくても自分で判断して腸を動かせます。食べ物が入ってくると腸がギューッと収縮して内容物を先へ送り出す「蠕動運動」も、脳の指令なしに腸の神経が自律的に行っています。
では、腸はどうやって「何かが触れた」「押された」という感覚を認識するのでしょうか。2025年の研究で注目されたのが「Piezo1(ピエゾ1)」というタンパク質です。これは腸に組み込まれた圧力センサーのような存在で、物理的な刺激を感知すると腸を動かす神経へ「刺激が来ましたよ」というシグナルを伝達します。まるでスマホに届いた通知が画面を反応させるように、Piezo1が腸の排便スイッチとして機能しているのです。


