寝ていても危険? ~睡眠負債、寝返り
毎日、何時間くらい眠っていますか?「6時間くらいかな」「平日は忙しいから、休日にまとめて寝ている」という方も多いのではないでしょうか。
実はその生活、知らないうちに「睡眠負債」がたまっているかもしれません。
睡眠負債とは
本来必要な睡眠時間より足りない分が、借金のように少しずつ積み重なっていく状態です。
日本はヨーロッパ平均の約7時間20分に対し、平均睡眠時間が約6時間20分と、世界でもトップクラスの睡眠不足の国です。毎日たった1時間の差でも、積み重なると心・体・脳にさまざまな悪影響が出てきます。
「一晩くらい寝なくても大丈夫」と思ったことはありませんか?研究によると、一晩徹夜した人の脳の判断力・集中力は、飲酒運転に相当するレベルまで低下すると報告されています。さらに1日4時間睡眠を5日続けると、徹夜と同水準まで脳のパフォーマンスが落ちてしまいます。
怖いのは、本人が「慣れた」「眠くない」と感じている点です。眠気には慣れても、脳の機能は確実に衰えています。感情コントロールも乱れ、イライラが増したり、他者を思いやる「利他的な行動」が減るという報告もあります。「最近なんだか余裕がない」と感じるとき、睡眠不足が背景にある可能性は十分あります。
睡眠は仕事のパフォーマンスにも直結しています。慶應義塾大学が日本の上場企業約740社を対象に行った調査では、従業員がよく眠っている企業ほど業績が良く、追跡調査でその差はさらに拡大していました。「寝る間を惜しんで働く」という発想は、実際には生産性を下げるリスクをはらんでいます。
子どもにとっても睡眠は欠かせません。東北大学の研究では、睡眠時間が長い子どもほど記憶をつかさどる「海馬」が大きいと報告されています。中学受験で第一志望に合格した小学生は、そうでない子どもより平均約1時間長く眠っていたというデータもあります。
「勉強時間のために睡眠を削る」より、しっかり眠ることで記憶が整理され、集中力も高まります。脳は睡眠中に成長していると言っても過言ではありません。
また、眠りの質を左右するのは光環境だけではありません。睡眠中に自然と行われる「寝返り」も、深い休息に欠かせない要素です。寝返りを打たずに長時間同じ姿勢で眠り続けると、筋肉が凝り固まり、疲労が翌朝まで残る原因になります。
長時間同じ姿勢で座り続けて腰が痛くなるのと同じように、身体は知らず知らずのうちに負担を受け続けます。寝返りをスムーズに打てるかどうかは、身体の連動性、つまり全身の部位が協調して滑らかに動く能力とも深く関わっています。この連動性が保たれていると動作が円滑になり、睡眠中の体位変換も自然と行われやすくなります。
そこで重要なのが、身体の連動性です。身体の連動性とは、全身の部位が協調して滑らかに動く能力を指します。



