「乳酸=疲れの原因」ではない!

運動したあとに「乳酸が溜まった」「乳酸のせいで足が重い」「筋肉痛は乳酸が原因」という言葉を聞いたことはありませんか?

乳酸とは、運動中にエネルギーを生み出す過程で作られる物質のこと。特に激しい無酸素運動中に多く生成されます。長年にわたって「疲労物質」として扱われてきましたが、現在ではその考え方が大きく見直されています。

激しい運動をすると、筋肉は酸性に傾きます。乳酸もそのタイミングで増えるため、以前は「乳酸が筋肉を酸性にして疲れを引き起こしている」と考えられていました。しかし現在では、筋肉が酸性に傾く主な原因は乳酸そのものではないとされています。むしろ乳酸が作られる反応では、酸性化に関わる水素イオンを取り込む働きがあるため、乳酸は酸性化を抑える方向にも関与しているのです。


さらに、運動で増えた乳酸は比較的早く減少します。一方、筋肉痛が強くなるのは翌日や翌々日。つまり「翌日の筋肉痛=乳酸が原因」というわけではありません。運動後の疲労感は、乳酸の蓄積よりも、エネルギー源である筋グリコーゲンの蓄えが枯渇することと関連していると考えられています。


乳酸は「体内のゴミ」でもありません。運動によって筋肉で作られた乳酸は血液に乗って運ばれ、心臓や別の筋肉でエネルギーとして再利用されます。肝臓では乳酸を材料にブドウ糖を作り直す仕組み(糖新生)も存在します。体は乳酸を「捨てるもの」ではなく、「作って・運んで・再利用するもの」として巧みに活用しているわけです。

乳酸の働きは筋肉にとどまりません。研究では、運動によって作られた乳酸が脳にも取り込まれ、神経の成長や維持に関わるBDNFというタンパク質の働きに関係する可能性が示されています。

腸内においても、乳酸菌やビフィズス菌が腸内で乳酸を生成し、その乳酸を別の腸内細菌が受け取って酪酸などの短鎖脂肪酸へと変換するケースがあります。酪酸は大腸細胞のエネルギー源となり、腸のバリア機能を支える重要な物質です。つまり乳酸は、筋肉でも腸でも「作る側」から「使う側」へ渡されるバトンのような存在といえます。

大切なのは、乳酸を出さないようにすることではなく、作られた乳酸をしっかり使える体を整えること。軽く息が上がる程度の運動やスクワットを行い、その後に軽歩行を加えることで、乳酸をエネルギーとして活用する仕組みが働きやすくなります。腸内環境を整えるためには、食物繊維・海藻・きのこ・冷めたご飯などを意識して取り入れることも一つの方法です。

「乳酸=疲れの原因」というイメージは、今日から少し書き換えてみてください。

 

この記事が役にたちましたら、下記のランキングバナーのクリックをお願いいたします。

まるで火の鳥❤

にほんブログ村 主婦日記ブログ 40代主婦へ

 

今日の言霊


乳酸は、特に激しい無酸素運動中に多く生成されます。長年にわたって「疲労物質」として扱われてきましたが、現在ではその考え方が大きく見直されています。by塩じぃ