MEC食は癌のリスクに関しては注意が必要!
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MEC食と糖質制限食との違い
糖質制限食とMEC食を比較すると、糖質制限食では野菜や大豆製品を多く摂ることが推奨されるのに対し、MEC食ではタンパク質と脂質の摂取に重点が置かれ、野菜は二の次とされがちです。
この点においても、MEC食は栄養のバランスが偏りがちであり、癌予防の観点からは見直しが必要でしょう。
糖質制限食は「糖質の摂取量をなるべく減らす」という点に重点が置かれます。それに対して、MEC食は「タンパク質と脂質をたくさん摂る」ということが前提になっています。
MEC食では「野菜は添え物程度に食べればいい」とされているのです。
ドクター江部の糖尿病徒然日記では
糖質制限に関しては、癌細胞の主要なエネルギー源がブドウ糖であることから、ケトン食療法などに期待が寄せられています。
しかし、一方で低血糖が癌の発生を促進する可能性も示唆されているため、糖質制限の影響は複雑です。
ドクター江部の糖尿病徒然日記には次のように書いてありました。
「がん細胞が、基本ブドウ糖しかエネルギー源にできないのは、事実です」と前置きし、 米国での「肺ガンに対するケトン食療法」に期待を寄せられています。
そして、「いよいよガンに対するケトン食の治療効果が証明されるかもしれません」と書いておられます。
ケトン食とは、 総摂取カロリーの75~80%が脂質という、究極のスーパー糖質制限食のことを言うみたいです。
詳しくは、「がんと糖質制限性。がんと玄米菜食。」の記事をご覧ください。
ケトン体については、下記の全米でNO1になったボディービルダー北島達也さんの話はわかりやすいです。
ボーゲルシュタイン博士らによると
糖質制限とガン発症の関連性を解明したのはジョンズ・ホピキンス大学のボーゲルシュタイン博士らにより、「サイエンス」誌に発表されました。
内容は「細胞外の糖質濃度が低いと、ガンが発生する」というものです。
ボーゲルシュタイン博士は、大腸ガンのすべての遺伝子を発見し、発ガンのメカニズムをあきらかにした人で、ノーベル賞を取るのではないか、といわれている世界的権威です。
なぜ、ガンは発生するか、という問題についてボーゲルシュタイン博士は、「低血糖がガンを発生させる」と、ひとつの結論を導きました。
KRAS、あるいはBRAFと呼ばれる発ガン遺伝子がガン化するとき、GLUT1(=グルコース輸送体)と呼ばれる遺伝子の発現が増えることを発見したのです。
そして、「GLUT1がより多く発現した細胞は、細胞内へのグルコースの取り込み量が増え、細胞外の糖質が低い状態でも生存し、そのうちの4%にKRASの遺伝子変異が認められた。これに対し、KRASに変異のない正常細胞はほとんど死滅する」というのです。
つまり、「血糖値が低いと、GLUT1の発現量の多い細胞だけが生き残り、そのなかの4%がガン化する」ということです。
また、「ガン細胞がグルコースから乳酸を代謝し、エネルギーを得る過程をブロックする3-ブロモピルビン酸(解糖系阻害剤)を用いると、KRASやBRAFに変異のある細胞の増殖を抑制する」としています。
このことも、細胞外の糖の濃度を下げると、細胞のガン化を促すことを示唆しています。
これらの研究は、糖質制限による厳格な血糖管理が、ガンを発症させる可能性についても考えなくてはならないことを教えてくれます。