糖尿病患者は認知症になる可能性が高い!
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糖尿病と認知症の深い関係
この研究により、糖尿病が認知症、特にアルツハイマー病や血管性認知症の発症率を上昇させることが示されました。
糖尿病患者では、血糖値の管理が脳の健康に直接影響を及ぼすことが分かっています。
高血糖状態が持続すると、アミロイドβという物質の蓄積を促し、これが神経細胞の死滅へとつながります。
その結果、脳の委縮が進み、認知機能の低下を招くのです。
「久山町研究」によると、亡くなったときにアルツハイマー病であった人と、そうでなかった人では、脳の神経細胞の遺伝子が大きく違っていたというのです。
アルツハイマー病でない人では、半分以上の脳の神経細胞の遺伝子が良く、アルツハイマー病のある人の脳の神経細胞ではインスリンの働きに必要になる遺伝子が働くなり、その働きを邪魔する遺伝子が活発になっていた。
詳しくは、上のサイトを参照して欲しいですが、血糖値が高いと脳の神経細胞が障害を受けるのです。
つまり、高血糖は脳内でインスリンの働きを悪くし、アミロイドβも増えやすくなると考えられます。
一方で、低血糖もまた認知症のリスクを高める要因とされています。
血糖値が適切な範囲を保つことが、認知症の予防には重要です。
低血糖も糖尿病の原因
岡本宅先生(愛し野内科クリニック院長)によると、低血糖も糖尿病に深くかかわっているといいいます。
その根拠は、西ロサンゼルス在郷軍人メディカルセンターのフェイル博士らの研究です。
フェイル博士らの研究から、岡本先生は次のように結論づけています。
インスリン治療であれ、糖質制限であれ、厳格な血糖コントロールを行なえば低血糖となり、認知症にかかる可能性があると考えた方がいいでしょう。
フェイル博士らの研究
フェイル博士らの研究によると、認知症や認知機能の低下は65~74歳が13.1%、75歳以上が24.2%に認められました。
そして認知症になった人の26.5%に低血糖が認められたのに対し、認知機能が正常な人では同14%。統計に影響を与える因子を差し引くと、低血糖が認知症につながるリスクは72%に増加したとされました。
フェイル博士は、低血糖にしない糖尿病治療を求め、「特に65~74歳の人たちのHbA1cは例外なく8.0%以下のコントロールを目指すべきだ」と報告しています。