ちゃんと食べてるのに不調が続く人に多い反栄養素!
食事に気をつけているのに、なんとなく体がだるい、貧血気味、お腹の調子が悪いといった不調が続いている人は少なくない。野菜や豆類、穀物をしっかり食べているのに、なぜか体が応えてくれない。その原因のひとつとして近年注目されているのが「反栄養素(Antinutrients)」だ。
反栄養素とは
豆類・穀物・種子・ナッツ・一部の野菜や果物など、多くの植物性食品に天然に含まれる化合物のこと。腸での栄養吸収を妨げる働きを持ち、特にカルシウム・鉄・亜鉛・マグネシウム・カリウムといったミネラルは影響を受けやすいとされている。代表的なものにはフィチン酸、シュウ酸塩、レクチン、タンニン、ゴイトロゲンなどがある。
なぜ植物がこうした物質を作るかというと、昆虫や動物などの捕食者から身を守るためだ。
反栄養素によって消化吸収を妨げることで捕食者を弱らせ、それ以上食べられないようにする。苦味や刺激のある野菜が多いのも、葉や茎をまずくして動物に敬遠させるための戦略といわれている。豆類や穀類に反栄養素が特に多いのは、種子を消化させずにフンとして排出させることで広範囲に拡散させる目的があるからだ。
反栄養素を多く含む食品を継続的に摂り続けると、ミネラル不足・貧血・消化不良・骨密度の低下といった不調につながる可能性がある。腎臓疾患や過敏性腸症候群を抱える人にとっては、腸への負担や炎症の引き金になることも指摘されている。
ただし、反栄養素が必ずしも悪者というわけではない。例えば食物繊維は反栄養素の一種でありながら、適切な摂り方をすれば便秘解消や2型糖尿病・大腸がん・心筋梗塞・脳卒中の発症リスクを下げる効果が報告されている。レクチンも同様で、心血管疾患や肥満リスクの軽減に寄与するという研究結果がある。つまり、問題は反栄養素そのものではなく、反栄養素の摂取方法にある。
「浸水」
・影響を減らすうえで最も手軽。
・フィチン酸・レクチン・タンニン・シュウ酸塩は水溶性のため、豆類や穀類を一晩水に浸すだけで含有量を大幅に下げられる。
・葉物野菜も同様に水にさらすことでシュウ酸塩を減らせる。
「発芽」
・有効な手段で、発芽玄米や豆苗のように発芽させることでフィチン酸が減少し、栄養素の吸収率が高まる。
「加熱」
・影響を減らすうえで最も手軽なのが、豆類を茹でることでレクチンやタンニンを7〜8割程度減らせると報告されている。
・ただしフィチン酸やグルテンは熱に強いため、沸騰させるだけでは十分に軽減できない点に注意が必要だ。
「発酵」
・日本人にとって身近な方法で、醤油・味噌・納豆などの発酵食品はレクチンやフィチン酸を減らし、栄養素の利用率を高めることが明らかになっている。
・これらの調理法を組み合わせることで、反栄養素の影響をさらに抑えることができる。
大切なのは反栄養素を一切避けることではなく、自分の体質や体調に合った反栄養素の摂取方法を知り、調理の工夫で賢く付き合っていくことだ。食べた栄養は、吸収されてはじめて体の力になる。毎日の食事に少しの工夫を加えるだけで、体への届き方は大きく変わってくる。
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今日の言霊
植物は動けないので、反栄養素によって消化吸収を妨げることで捕食者を弱らせ、それ以上食べられないようにしている。by塩じぃ





