猛暑でも「あなただけ元気ね」と言われるには腸活だ!

厳しい暑さが続く中、同じ環境にいるのに「あなただけどうしてそんなに元気なの?」と言われる人がいます。一方で、少し外に出ただけでぐったりしてしまう人もいる。この差は、水分や塩分補給の量だけでは説明できません。

熱中症とは


主に高温多湿な環境で体温が上昇し、電解質バランスが乱れることで、めまい・筋肉痛・倦怠感といった軽症から、意識障害やけいれんといった重症まで、さまざまな症状が現れる状態のことです。

熱中症は、水分補給と身体の冷却が基本的な対処法ですが、「飲んでいれば安心」という考え方には、見落とされがちな落とし穴があります。

水を飲み続けても、湿度が高く風がない環境では汗が蒸発しにくく、体内の熱はうまく外へ逃げられません。深部体温はじわじわと上がり続け、スポーツドリンクや塩分タブレットだけでは防ぎきれないケースも出てきます。猛暑でも元気でいられる体をつくるには、「何を飲むか」以上に「体が熱をきちんと逃がせる状態かどうか」が問われるのです。

その鍵を握るのが、意外にも「腸活」です。

体が熱を逃がそうとすると、皮膚の血管へ血液が集中し、腸への血流が真っ先に減ります。腸の粘膜は数日で細胞が入れ替わるほど代謝が活発で、酸素を大量に必要とします。血流が減って酸素不足に陥ると、細胞同士を密着させている「タイトジャンクション」が緩み始め、腸のバリア機能が崩れます。

このバリアが壊れると、本来は腸内にとどまるべき「LPS(リポ多糖)」という物質が血液中へ漏れ出します。体はこれを重大な細菌感染と判断し、免疫細胞が一斉に動き出します。血管が拡張して血圧が下がり、血液が固まりやすくなり、肝臓・腎臓・脳へのダメージが連鎖する。これが、重い熱中症の正体のひとつです。

実際、35℃の環境で2時間走った持久系ランナー10名を対象にした研究では、22℃の環境と比べて、腸の損傷マーカー・LPS・全身の炎症指標のすべてが上昇し、腹痛を訴える参加者も多かったことが確認されています。深部体温が上がるほど腸のダメージも大きくなるという、無視できない相関関係です。

さらに注目すべき研究があります。男性ランナー20名に乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスを4週間毎日摂取させたところ、気温35℃・湿度40%という過酷な条件下での運動継続時間が、非摂取時の平均約33分から平均37分44秒へと、約5分近く延びました。深部体温はどちらも約38.1℃でほぼ同じ。違いは腸のバリアが保たれていたかどうかだけでした。同じ体温でも、腸の状態次第で全身への炎症ダメージが変わり、暑さへの耐性に差が生まれるのです。