血圧の基準値は年齢や人間ドック学会の基準を考慮することが重要!
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降圧剤の量を減らしたら
「薬の9割はやめられる」という本の中に面白い実例が載っていました。
日本で初めて「薬をやめる科」を開設した熊本のお医者さんです。
そのお医者さんによると、何種類もの降圧剤を飲んでいる患者さんが相当数おられるとのことです。
【症例2 降圧剤5種類で頻脈に】
<患 者>39歳男性。豆腐屋さんを営む。
<来院経緯>30歳代後半から血圧が上昇したため、某総合病院の循環器科に通院。そのころの血圧は180/100程度。今度は当院で処方してほしいと来院。
<既処方薬>アムロジビンOD5mg・2錠、ニフェジビン20mg・4錠、オルメテックOD20mg・1錠、ビソプロロールフマル酸塩5mg・1錠、トリクロルメチアジド2mg・1錠、ペザフィブラートSR200mg・1錠
某総合病院で循環器部長を務める医師が出したこの処方を一目見て、私は反射的にひっくり返りました。そんな私を見て、患者さんの方がもっとびっくりしたくらいです。彼にしてみれば、「大病院の大先生の言うことだから」と、120%信用していたのでしょう。・・・・・なぜこんなことになってしまったのか?おそらく、この医師は血圧の値しか見ていなかったのでしょう。降圧剤を投与しても、なかなか血圧が下がらない。一つ足してみようか、まだ下がらない。もう一つ、もう一つと増えていったのだと思います。
そして、とりあえず、カルシウム拮抗剤を大幅に減らし、ペザフィブラートを中止したところ、たった1回の診療で、症状は大幅に改善したというのです。
頻脈は1分間に120回から78回に減り、大量投与により「130/80」にコントロールされていた血圧は原薬により逆に「118/70」に低下したのです。
極端な実例とは書いてはありましたが、正直言って唖然としてしまいました。
でも、上の事例まではいかなくても、現実には似たような実例があると考えた方がいいのかもしれません。