健康に食物繊維~慈恵大学病院では大麦ご飯が患者さんの食事に!
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全身を健康にする食物繊維
食物繊維は、大きく、【水溶性食物繊維】と【不溶性食物繊維】の2つに分けられます。
但し、水溶性も不溶性もバランスよく両方摂取する必要があります。
もしどちらかに偏ってしまうと、返って便秘がひどくなったり、腸内でガスが発生するなど腸内環境が乱れてきます。
食物繊維は、そもそも体に入ると、胃や小腸では分解されず、そのまま大腸に届けられます。
そこで、腸内細菌によって、【短鎖脂肪酸】という物質がつくられます。
短鎖脂肪酸には、次のような働きがあります。
☑︎腸内環境を整える
☑︎体脂肪を減らす
☑︎脳や神経を活性化させる
☑︎ダイエットに役立つ
☑︎免疫機能を活性化させる
☑︎血圧やグルコース、脂質の代謝を調節する
このように、食物繊維をとることは、お腹の状態だけでなく、脳や心臓、全身を健康にします。
水溶性食物繊維
水に溶ける繊維のことです。
水に溶けると、ゼリーみたいにプルプルになってスライムみたいに腸内をゆっくり移動するので、食べ物の消化吸収が緩やかになります。
青江誠一郎さん(家政学部 教授)によると、大麦には水溶性食物繊維βグルカンという成分が含まれているとのことです。
この成分は血糖値の急上昇を抑え、内臓脂肪の減少にも役立つとされています。
だから、大麦に含まれる水溶性の食物繊維βグルカンは今や注目の的です。
βグルカンは、おなかの中で水に溶けると粘度が高くなってネバネバします。
そのため腸の中をゆっくりと進み、糖もゆっくりと血液に取り込まれます。
すると、インスリンの働きがよくない人でも糖を処理でき、血糖値が上がりにくくなるのです。

出典:健康カプセル
そのβグルカンの効果は慈恵大学病院以外の病院でも注目されていて、昼食などに大麦ごはん(もち麦)が使われています。
野菜に含まれる食物繊維は不溶性食物繊維ですが、大麦に含まれるのは水溶性食物繊維βグルカンと呼ばれるものです。
水溶性食物繊維βグルカンは大麦・ライ麦などしか含まれていません。
βグルカンではありませんが、水溶性食物繊維は海藻やりんご、みかんなどにも含まれています。
<水溶性食物繊維を含む食べ物>
・果物(リンゴ、バナナ、キウイなど)
・海藻類(昆布、わかめ、ひじきなど)
・大麦、オートミール
・こんにゃく
・里芋
・野菜(オクラ、にんじんなど)
不溶性食物繊維
水に溶けない繊維です。
腸内の水を吸うと、モコモコとふくらんで腸のぜん動運動を促進します。
また便のカサを増やすので、スルスルと便を押し出してくれます。
<不溶性食物繊維を含む食べ物>
・全粒穀物(玄米、大麦、全粒粉パンなど)
・豆類(大豆、レンズ豆、えんどう豆など)
・野菜(キャベツ、ブロッコリー、ごぼう、ほうれん草など)
・きのこ類(しいたけ、まいたけなど)
・ナッツ類(アーモンド、クルミなど)