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疲れが取れない本当の理由

「疲れ」とは、体や心に負担がかかった結果、パフォーマンスが低下する自然な生理現象です。疲れはいわば体が出している「休め」のサインであり、通常であればしっかり休息をとることで回復していきます。しかし、現代人の多くが抱える悩みは、十分に寝ているはずなのに疲れが取れない、体が重くてやる気が出ない、病院に行くほどではないけれど体調がすぐれないといった、原因不明の不調です。

この背景には、私たちが置かれている環境の急激な変化が深く関係しています。人類の歴史は約600万〜700万年にも及びますが、そのほとんどの期間、私たちは土を踏み、風を感じ、太陽とともに生きてきました。産業革命が起きたのは約300年前。人類の歴史を24時間に例えると、コンクリートに囲まれ、電気を使い、スマホを見ている生活は最後のわずか4秒弱にすぎません。割合で言えば99.9%以上は自然の中で過ごしてきたのです。


この激変の時代は「アンソロポシン(人新世)」と呼ばれ、環境だけが急激に変わった一方で、私たちの遺伝子はサバンナで走り回っていた頃のままです。この「進化的不適合」が原因不明の不調を生むと、2025年に発表された「ホモサピエンスと産業、そして環境不適合仮説」という論文で述べられています。