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あなたの長引く腸の不調はコロナ後遺症かも?改善の可能性あり

コロナ感染症が5類に移行してから2年半が経過しましたが、現在も多くの方がコロナ後遺症に悩まされています。日本の住民調査研究によると、感染から18カ月後でも約5%の成人が何らかの症状を抱えており、睡眠障害、疲労感・倦怠感、頭痛、集中力低下といった症状が報告されています。

このような状況の中で、特に見過ごされがちなのが腸の不調です。急な腹痛で外出が困難になったり、便秘と下痢を繰り返したり、お腹の張りが続いているにも関わらず、検査では異常が見つからないケースが急増しています。これらの症状に加えて気分の落ち込みも感じている方は、単なる体調不良ではなく、コロナ後遺症による「腸脳障害(DGBI)」の可能性があります。

腸脳障害とは、腸と脳のネットワークが乱れることで消化器症状を引き起こす状態を指します。2025年に発表された国際研究(Olafur Palsson)では、パンデミック前後で腸脳障害全体の有病率が38.3%から42.6%に増加し、過敏性腸症候群は28%、機能性ディスペプシアは44%も増加したことが明らかになりました。

この腸脳障害が起こる背景には複数の要因が関与しています。まず、パンデミックによる長期間のストレスが自律神経のバランスを崩し、腸の血流を低下させることで腹痛や消化不良を引き起こします。また、持続的なストレスは腸粘膜にダメージを与え、リーキーガット症候群(腸漏れ)を引き起こし、慢性的な炎症状態を作り出します。

さらに、ウイルス自体が腸粘膜に直接的な障害を与えることも研究で確認されています(Malte Lehmannら、2021)。加えて、感染やストレスによって腸内細菌のバランスが崩れると、セロトニンやGABAといった神経伝達物質の産生が減少し、不安や抑うつ症状につながります。これらの要因が相互作用することで、腸の不調が気分の落ち込みを悪化させ、ストレスがさらに腸を乱すという悪循環が生まれるのです。