骨の強さに自信はありますか?
骨の強さに自信はありますか?
牛乳を飲み、小魚を食べ、カルシウムのサプリも欠かさない。健康意識の高い人ほど、骨のためにさまざまな習慣を続けているでしょう。ただ、それが本当に骨に効いているかどうかを確かめる機会は、ほとんどありません。骨の検査は、一般的な健康診断に含まれていないからです。
「最近、背中が少し丸くなった気がする」「くしゃみをしたら背中にズキッときた」——こうした変化を加齢や疲れのせいにしていませんか?実は、体の中では気づかないうちに骨の変化が進んでいることがあります。人の骨量のピークは20歳ごろで、その後はゆっくりと減り始め、60代になると女性の約5人に1人が骨粗しょう症になるとされています。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症(骨粗鬆症)は、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、ちょっとした衝撃で折れやすくなる病気です。全国の患者数は約1,590万人。そのうち約4分の1は男性です。さらに驚くべきことに、東京慈恵会医科大学の調査では、日本人の98%がビタミンD不足に直面していることが明らかになっています。越智小枝医師は「このままビタミンD不足が続けば、多くの人が骨粗しょう症に近づく」と警鐘を鳴らしています。
出典:早く老ける
しかも、早く老けるというのです。骨粗しょう症になっても、多くの場合「痛み」はありません。日光浴の習慣を取り入れ、ビタミンDを豊富に含む食品を意識的に摂取することで、骨粗しょう症のリスクを減少させ、より健康的な生活を送ることができるでしょう。
多くの人が誤解していること

骨対策はカルシウムじゃないという事実です。
ニュージーランドの研究チームが50歳以上を対象に過去の研究を調べ直した結果、食事からのカルシウム摂取量と骨折リスクには関連が見られず、サプリメントの効果も一貫しないと結論づけられています。カルシウムがまったく不要という話ではありません。ただ、すでに足りている人がさらに増やしても、骨が強くなり骨折を防げる根拠はないということです。
では、何が骨を強くするのか。答えは「筋肉を動かすこと」です。
骨の内部にある骨細胞は、血液中のカルシウム量ではなく、骨がどれだけ刺激されたかを見ています。筋肉が骨を引っ張る力が繰り返し届けば「ここは強くしないと折れる」と判断して骨を増やし、力が届かなければ「この量は要らない」と判断して骨を減らす。この仕組みはメカノスタットと呼ばれ、骨研究の土台となっている考え方です。
わかりやすい例が宇宙飛行士です。NASAの報告によると、無重力環境での長期滞在中、体重を支えていた骨は1ヶ月に1〜1.5%の密度を失います。閉経後の女性が1年かけて減らす量に近い骨密度が、たった1ヶ月で失われる計算です。しかも減るのは骨盤・太もも・すね・腰椎など、地上で体を支えていた部位だけ。頭や腕の骨はほとんど減りません。宇宙飛行士の食事は栄養が徹底管理されているため、カルシウム不足が原因ではありません。変わったのは、骨にかかる力のほうだけなのです。
さらに、骨はカルシウムを貯蔵するだけの入れ物でもありません。体を動かすとオステオカルシンという物質を分泌し、これが筋肉に届くと、糖や脂肪を燃料として使う働きが高まることが報告されています。骨と筋肉はお互いに連絡を取り合い、影響し合っているのです。
つまり、筋肉を使わなければ骨への刺激が減り、骨と筋肉が同時に弱っていく悪循環に陥ります。そして骨粗しょう症になると、転倒したときの骨折リスクが一気に高まります。どれだけ骨を強化しても、転んだときに体を支えられる筋力がなければ意味がありません。
日常の中で筋肉を使う場面は十分あります。椅子からゆっくり立ち上がる・座るを繰り返すだけで太ももとお尻の筋肉に効かせられますし、信号待ちや料理中にかかとの上げ下げをするだけでふくらはぎが鍛えられます。エスカレーターではなく階段を選ぶ習慣も積み重なれば大きな差になります。骨を守りたいなら、まず今日から筋肉を意識的に動かしてみてください。



