自然治癒力できる体を作るには~自律神経と毛細血管がカギ
私たちの体には、傷ついた組織を自ら修復する力が備わっています。その修復を担うのが「免疫細胞」であり、不調がなかなか改善されないのは、この免疫細胞がスムーズに働けていないことが大きな原因です。
では、免疫細胞が素早く機能するためには何が必要なのか。そのカギとなるのが「自律神経」と「毛細血管」の2つです。
自律神経は心臓の拍動・呼吸・体温調節・消化・ホルモン分泌・免疫の調節など、体のあらゆる働きを24時間365日自動でコントロールする司令塔です。

組織がダメージを受けたとき、「修復を始めなさい」という指令を免疫細胞に送るのも、この自律神経の役割になります。指令が届かなければ、免疫細胞は待機したまま動けません。
次に必要なのが毛細血管です。

自律神経が指令を出しても、免疫細胞や修復因子が患部まで届かなければ修復は始まりません。毛細血管は、いわば修復現場へ向かうための道路。この道が詰まったり、いわゆる「ゴースト血管」として機能を失ったりすると、免疫細胞は現場にたどり着けなくなってしまいます。
つまり、①自律神経が修復の指令を出し、②毛細血管が免疫細胞を患部へ届け、③免疫細胞が修復を開始する——この3ステップが揃って初めて、自然治癒力が発動するわけです。
若い頃に膝を痛めても数日で回復できたのは、この3ステップが素早く機能していたからです。
ところが年齢を重ねると、自律神経の働きが鈍り、毛細血管も変形・消失するなどして、ダメージがいつまでも修復されないまま慢性的な痛みや不調として残るようになります。
季節の変わり目に体調を崩しやすいのも同じ理由で、気温の変動により自律神経が乱れると体温調節が難しくなり、免疫力も低下します。免疫力が高ければ、風邪やウイルスにも体本来の力で対抗できますが、自律神経と毛細血管が機能していなければその力を十分に発揮できません。
ただし、同じ60代でも不調ひとつなく元気な方がいる一方で、複数の不調を抱えている方もいます。この差を生むのは年齢そのものではなく、自律神経と毛細血管がどれだけ傷んできたか——つまり、日々の生活習慣の蓄積です。
劣化のスピードは生活習慣によって大きく変わるため、すでに不調を抱えている方でも、この2つを良い状態に戻すことは十分に可能です。


