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骨対策はカルシウムじゃない~睡眠というルーティーン!

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骨を守るため必要な睡眠


では、骨を守るために本当に必要なこととは何でしょうか。今回注目したいのは「睡眠」というルーティーンです。睡眠は骨の仕組みから言っても非常に重要なのです。

骨の仕組み(破骨細胞と骨芽細胞)

出典:mrs-labo.jp


骨は一度作られればそれで終わりではありません。「骨が壊される過程(破骨細胞)」「骨が作られる過程(骨芽細胞)」の両方が存在しているのです。1年間で約1割の骨が新しい骨に入れ替わっています。

ところが、骨密度は20歳をピークに歳をとるにつれ、次第に落ちていきます。つまり、歳を重ねるに従って、破骨細胞が活性化し、新しい骨作りが間に合わなくなってしますのです。これが骨粗しょう症の大きな原因で、ビタミンD不足がこれに拍車をかけています。

破骨細胞を抑えるメラトニン

出典:bihadahime.com


メラトニン睡眠を促すホルモンとしてよく知られています。

夜11時頃から急速に増え、午前4時頃にピークを迎えて朝10時頃にはほとんどなくなります。メラトニンを増やすためには日光浴が欠かせないのです。

また、医学博士萩野剛志監修の「人体の不思議」によると、カルシウムのかたまり・骨は若返り臓器でこの仕組みは「骨代謝」と呼びます。

そして、この骨代謝が最も活発になるのが「深い睡眠(ノンレム睡眠)」の時間帯です。深い眠りの中で「成長ホルモン」が大量に分泌され、骨をつくる骨芽細胞が活性化されます。成長ホルモンは「IGF-1」というホルモンを生成し、傷ついた細胞の修復や骨の成長を促す、いわば「からだの総監督」的な存在です。

2017年の研究では、1日6時間未満の睡眠を続ける成人は、7時間以上眠る成人と比べて骨密度が低下するリスクが20%以上高いことが示されました。睡眠が短いと成長ホルモンの分泌量が減り、骨芽細胞がうまく働けなくなるためです。

さらに、睡眠ホルモンとして知られる「メラトニン」も骨代謝に重要な役割を果たしています。夜間にスマホやPCのブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑制され、睡眠サイクルが乱れます。眠りが浅くなったり、夜中に何度も目が覚めたりする状態が続くと、骨への影響として蓄積されていきます。

加えて、睡眠不足は脳がそれを「ストレス」と認識し、コルチゾールというストレスホルモンが増加します。コルチゾールは破骨細胞の働きを強める作用があるため、骨を壊すスピードだけが速くなり、骨密度の低下が加速してしまうのです。これが骨粗しょう症へと進む仕組みです。

スマホやPCの使用を控えることも効果的です。メラトニンの分泌を妨げる光の刺激を減らすだけで、眠りの質は変わってきます。

骨の「3大栄養素」であるカルシウム・ビタミンD・マグネシウムをバランスよく摂ることも欠かせません。カルシウムは乳製品や小魚、野菜から、ビタミンDは鮭・卵・きのこから、マグネシウムはナッツ・海藻・豆類から摂取できます。また、日光を1日20分程度浴びることでビタミンDを体内で合成できるため、気分転換を兼ねた外出もおすすめです。

夕方の軽い運動も取り入れてみましょう。骨に適度な刺激を与えることで骨密度の維持・向上が期待でき、さらに睡眠の質を高める効果もあります。寝室の環境は室温18℃前後、少し暗めで静かな空間を意識すると、脳がリラックスして深い眠りに入りやすくなります。

カルシウムを摂ることはもちろん大切ですが、せっかく摂った栄養を骨に活かすには、睡眠というルーティーンが欠かせません。骨粗しょう症は40代後半から進行が速まるとされており、60代の骨量は20代と比べて20〜30%も減るといわれています。だからこそ、今日の眠りが未来の骨をつくると考え、毎晩の睡眠を少しだけ丁寧に整えることが、最も身近で意外な骨対策になるのです

骨粗しょう症は、予防が非常に大切な病気です。では、具体的にどんなルーティーンを取り入れればよいのでしょうか。