朝の15分で脳を若々しく保つには?
最近、こんなことはありませんか?
・物忘れが増えた
・言葉がすぐ出てこない
・集中力が続かない
・以前より感情の起伏が大きくなった気がする
日常生活は普通に送れているけれど、ふと「このまま少しずつ、脳が衰えていくのかな…」そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
実は、こうした症状の多くは病気ではなく、脳疲労による一時的な不調である可能性が高いのです。2023年にBrain Sciencesで発表された研究によると、疲労感が強い高齢者では記憶・認知機能指標が低い傾向があることが報告されています。

でも、安心してください。毎朝15分、あることをするだけで脳が若返ることがわかったのです。そのあることとは「学び直し」。特に効果的なのが英語学習なんです!
Contents
「学び直し」が脳を物理的に変える

出典;doda.jp
何か新しいことを学び始めるなんて大変…と思いますよね。でも、昔一度学んだことをもう一度学ぶ「学び直し」なら、思っているよりずっと取り組みやすいはず。
一度忘れたことをやり直すという行為は、単なる復習ではありません。これは脳を物理的に作り替えて機能をブーストさせる「最強の脳のリフォーム」になります。
50代以降で重視すべきは、脳の灰白質の密度です。灰白質は神経細胞の本体が集まっている場所で、脳の演算処理を担っています。新しい知的刺激や複雑なスキルの習得は、大人になってからでも灰白質を構造的に劇的に変化させます。これを「神経可塑性」と呼びます。
神経可塑性が起こるということは、脳は何歳であっても自らを作り替える能力を持ち続けているということ。難しい問題を解くときの「苦しさ」は前頭前野を強烈に刺激し、意思決定・感情の制御・深い集中力といった機能を司る部分を活性化させるのです。
最近、感情の起伏が激しかったり集中力が続かなかったりする場合、前頭葉の機能低下が原因かもしれません。
休眠エングラムを再起動させる学び直しの力
「完全に忘れているのだから、ゼロからやるのと同じでは?」と思うかもしれませんが、脳科学には「節約法」という概念があります。
意識的に思い出せない記憶であっても、脳内にはエングラム(記憶痕跡)として物理的に保存されています。エングラムとは、特定の記憶が作られたときに活性化する神経細胞ネットワークのこと。一度学んだことを再学習する時、脳はゼロから回路を作るのではなく、この休眠エングラムを再利用します。
だから初めて学ぶよりも圧倒的に早く、深く習得できるんです。回路がつながる瞬間、脳ではBDNF(脳由来神経栄養因子)というタンパク質が分泌されます。これは「脳の肥料」と呼ばれる物質で、新しい神経細胞の成長やシナプス(神経のつなぎ目)の形成を促進します。
つまり昔学んだことを学び直すことは、脳の中にしまっている休眠資産を掘り起こし、そこに最新の肥料を注いで再起動させるという最高のアンチエイジング。脳疲労の解消にも効果的なのです。
なぜ英語学習が最強なのか
皆さんにおすすめする最強の学び直し、それは英語です!
英語を学習するとき、脳は「認知予備能」を使います。2つの言語を切り替えて使うバイリンガル状態は、脳の処理能力を大きく上げ、余白を作ります。そしてアルツハイマー症状の出現を4〜5年遅らせる能力があることが示されているのです。これを薬で実現しようと思ったら大変なこと。
英語を話すとき、脳内では日本語を引っ込めて英語ネットワークを使う高度な抑制制御が行われます。この切り替え作業が、脳の白質(神経細胞同士をつなぐ高速通信ケーブル)を強化します。つまり英語学習は、脳の配線をさびつかせず、しなやかに保つ習慣になるのです。
50代以降に外国語学習を始めたグループでも、白質の構造変化が起こることが確認されています。つまり50代以降でも脳の配線は変えられるということ!
シャドーイングとディクテーションで脳を鍛える
英語学習は闇雲にやるのではなく、ある程度進んだところでシャドーイングとディクテーションを行ってください。
シャドーイングは、聞こえてきた英語を即座に真似して口に出す方法。このとき、音を理解するウェルニッケ野と言語を発するブローカ野を結ぶ巨大な神経路(弓状束)が強力に鍛えられます。50代以降はこの通信速度が鈍りがちですが、シャドーイングという負荷をかけることで、この高速道路が再整備され、脳全体の処理能力が格段に上がります。
ディクテーション(書き取り)は、音声を一時的に保持し、分析し、文字化する作業。これはワーキングメモリー(作業記憶)を極限まで使います。ワーキングメモリーは「脳の机の広さ」そのもの。ここを鍛えることで、日常生活のミス減少やマルチタスク能力の向上につながります。英語学習は、仕事や家事の効率そのものをアップデートする行為なのです。
朝の15分が脳を変える
せっかくやるなら、科学的に最も効率のいいタイミングで行いましょう。
ワーキングメモリーの容量はストレスホルモン(コルチゾール)の影響を強く受けます。その影響が最も少ない時間帯は、朝起きてすぐ、またはリラックスしている時間帯。夜に1時間頑張るより、朝のフレッシュな状態で15分集中する方が、定着率は3倍以上違うことが分かっています。
2022年の脳研究解析では、脳疲労が進むと「考える・判断する」脳のネットワーク活動が低下し、代わりに休息に関わるネットワークが活発になることが確認されました。朝の学習は、この脳疲労を防ぎ、一日中クリアな思考を保つ効果もあります。
脳にとって「遅すぎる」はありません。脳が衰える不安を解消するために、ぜひ本屋さんに行って楽しそうな英語の参考書を探してみてください。毎朝15分の学び直しが、あなたの脳を若々しく保ち、冴えた毎日をもたらしてくれるはずです。



