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なぜ秋は血圧が上がりやすいのかその医学的根拠?

10月に入り、爽やかな秋の季節が到来しました。この時期の最大の特徴は、昼夜の気温差が激しくなることです。日中は汗ばむほどの暖かさでも、夕方になると急激に冷え込む日が続きます。

実はこの「気温差」こそが、血圧上昇の主要な原因となることをご存知でしょうか。多くの方は「血圧が高くなるのは冬」というイメージを持たれていますが、医学的には秋こそが血管への負担が大きくなる危険な季節なのです。

気温が10℃下がると、血圧は5~10mmHgも上昇するという研究データがあります。しかし、なぜ冬よりも秋の方がリスクが高いのでしょうか。その答えは、私たちの「認識の違い」にありました。

冬の場合、すでに「寒い季節」という認識があるため、外出時には十分な防寒対策を行います。そのため外気と室内の温度差があっても、体温は比較的安定して保たれています。一方、秋は日中の気温がまだ高いため、薄着で外出する方が多く、夜間の冷え込みに対応できずに体温調節に失敗してしまうケースが頻発します。

さらに重要なのは、気温差による自律神経への影響です。急激な温度変化により、交感神経と副交感神経の切り替えがうまく機能しなくなると、交感神経が優位な状態が続きます。この状態では血管が収縮し続け、結果として血圧が上昇してしまうのです。

血管の仕組みを「ゴムホース」に例えると理解しやすくなります。春から夏にかけては気温が高いため血管が弛緩し、内部の血液はゆっくりと流れます。しかし秋から冬になると、体温を維持するために血管が収縮し、血液の流れが速くなります。これはホースの先端を強く握ると水が勢いよく噴出するのと同じ原理で、血管壁により強い圧力がかかっている状態なのです。

高血圧が継続すると、自覚症状がないまま血管の内壁が硬化する「動脈硬化」が進行します。血管の柔軟性が失われると、心臓というポンプへの負担が増大し、最終的には心筋梗塞、脳卒中、腎臓疾患、大動脈瘤・大動脈解離といった重篤な疾患のリスクが高まります。

2025年8月に日本高血圧学会が発表した新しい診療基準では、血圧の正常値は診察室血圧で130/80mmHg未満、家庭血圧で125/75mmHg未満とされています。高血圧の診断基準は、診察室血圧140/90mmHg、家庭血圧135/85mmHgとなっており、定期的な血圧測定による早期発見が重要視されています。

血圧測定を習慣化することで、自分の体調変化を客観的に把握できるようになります。病院では診察の際に必ず血圧を測定しますが、これは血液循環の状態を手軽に判定できる重要な指標だからです。血液は全身に栄養素と酸素を供給し、老廃物を回収する重要な役割を担っており、その流れに異常がないかを確認する血圧測定は、まさに生命維持のバロメーターといえるでしょう。


1日の血圧の変動パターン

 

1日の血圧の変動には一つのパターンがあります。それで、この変動パターンが正常な人と比べて違う場合は特に注意が必要です。正常血圧は日内リズムに従って変動し、通常は昼間に高くなり夜に低くなる傾向があります。しかし、夜間非降圧型や夜間昇圧型のように、このリズムが乱れている場合は、心血管疾患のリスクが高まります。また、起床後の血圧上昇が異常に大きいモーニングサージや、職場でのみ高い仮面高血圧も見逃せません。季節の変わり目や急激な気温変化は血圧に影響を与え、特に高血圧患者にとってリスクが増大します。

モーニングサージ

出典:www.aandd.co.jp


高血圧で元気な人が突然死ぬ!なぜ?

寒暖の差が10度以上あると、目に見えないストレスが蓄積され、血圧は上がりっぱなしになります。下記のような「ピストル血圧」になったら、急激な血液の圧力で血管壁はボロボロに傷つきます。

出典:kenkoutaisitsu.com


でも、必要以上に心配することはありません。これらの情報を知ることで、自身の血圧管理に役立てることが可能です。