くも膜下出血は7割が女性で20代の若い人でも発症!

女性のあなた!
くも膜下出血と聞いて、男性やお年寄りの病気だと思っていませんか?
決してそうではありません。
NHKあさイチでもやっていたのですが、くも膜下出血の患者はなんと女性が7割とのことです。しかも、驚くことに20代の若い人でも発症しているのです。激しい頭痛がしたらすぐさま対処しないと命を落とすことだってあります。
Contents
くも膜下出血とは

出典:KNI
くも膜下出血とは、脳の表面をおおう膜のひとつである「くも膜」(左↓部分)の下に出血がある状態をいいます。
脳の血管のふくらみである脳動脈瘤の破裂(右↓部分)することによって引き起こされるのです。
くも膜下出血になると

出典:KNI
くも膜下出血になるとその約半数は命を落とすか社会復帰が困難な重い後遺症が残ります。
命も脅かす恐い病気です。
障害なく回復し社会復帰できる人は全体の約4分の1です。
残りの約4分の1は、障害が残りますが身の回りのことは自分でできるまで回復します。
くも膜下出血は若い人でも発症!

くも膜下出血の危険因子としては、高血圧と喫煙習慣が二大リスク要因です。
高血圧の人は、そうでない人と比較して、死亡リスクが約3倍も高くなります。
喫煙者のリスクもタバコを吸わない人の2.2倍~3.6倍になります。
しかも、くも膜下出血の女性の発症率は20代からと若く、40代で30%、50代で60%です。
必ずしも男性やお年寄りだけの病気ではないのです。
血圧・お酒・タバコ以外でも
あさイチで紹介されたフミコさん(43歳女性)は、33歳で発症し、なんとか命をとり止めました。
血圧も低いし、お酒も飲まないし、タバコも吸わないので”まさか”という感じだったとのことです。
くも膜下出血は、高血圧や喫煙以外にも感染症、祖父母、両親、兄弟に患者がいる、大量の飲酒、ストレスや女性ホルモンの分泌量なども関係しているのです。
感染症では歯周病菌が注目されています。
とくに歯周病菌は、くも膜下出血と関連の動脈硬化症や脳梗塞、心筋梗塞以外でも糖尿病、肺炎なども引き起こすことがわかってきており、注意が必要です。
まずは、下記よりYutubeの動画をご覧ください。
くも膜下出血の激しい頭痛とは
日本医科大学脳神経外科教授の森田明夫先生によると、くも膜下出血は、ほとんどの方が、出血した瞬間に、「いきなり経験したことがないような頭痛」を生じるそうです。
森田明夫
日本医科大学脳神経外科教授
◆資格
日本医師免許 米国医師免許(ミネソタ、メリーランド、ヴァージニア州) 日本脳神経外科学会 専門医 理事 米国脳神経外科 専門医 日本脳卒中学会 専門医 日本内分泌学会 専門医 日本神経内視鏡学会 技術認定医
◆専門分野
頭蓋底腫瘍の手術・集学的治療、脳血管障害の治療、医療機器開発(内視鏡機器、ロボットMRI装置)、脳動脈瘤専門外来 頭蓋底腫瘍外来 聴神経腫瘍専門外来
◆人物紹介
主任教授の森田先生です。色々な難しい手術や脳動脈瘤の研究などで超有名ですが、実は何よりもグルメに対する情熱はすごいです。
また、頭痛と一緒に、激しくはいたり、意識不明になることもあるそうです。
頭痛には①警告頭痛と②雷鳴頭痛の2つがあります。
岩楯さんの場合は、最初の警告頭痛のときは、ハンマーで殴られた感じでガーンと痛かったそうです。
でも、しばらくしたら痛みが無くなったので、そのままにしておいたら、今度は後頭部に、雷が落ちたような猛烈な痛みを感じ、救急車で運ばれました。
警告頭痛のときは、動脈瘤が破裂して、出血はまだ一部にとどまっていたため、頭痛が解消したのですが、雷鳴頭痛のときは、出血が全体に拡がってしまったのです。
破裂の可能性のある脳動脈瘤を早い段階で見つけるには、脳ドックを受ける必要があります。
脳ドックでは、MRI検査をしますが、時間は30分程度で費用は約3万円程度です。結果は約1週間後になります。
未破裂脳動脈瘤は、大きくなれば壁が薄くなるので、破裂する確立が高くなります。脳動脈瘤の大きさによる1年以内の破裂率を下表に示します。
大きさ | 破裂率 |
3.0~4.4mm | 0.36% |
4.5~6.4mm | 0.50% |
6.5~9.4mm | 1.69% |
9.5~24.4mm | 4.37% |
24.5mm以上 | 33.4% |
動脈瘤発見でうつ状態になる人も
もしも動脈瘤が見つかったら、あなたはどうされますか?
動脈瘤が見つかって、1人で考え込んでしまい、うつ状態になって、出歩くことさえしなくなる人もあるそうです。
番組でで紹介された孝岡(48)さんも、昼間は気丈に振舞っていても、不安から夜になると毎日のように涙がでてきたとのことです。
森田明夫先生は、週に3回ぐらい運動した方が瘤の状態はよくなると語っておられました。
体の中のもやもや感やストレス、喫煙などは、炎症を促進するのだそうです。
番組では、インターネットで出会った同じ仲間と相談し合う、短歌や手記を雑誌に投稿する、信頼できる医師との出会いが大切など出されていました。
未破裂脳動脈瘤が見つかったら

出典:home.hiroshima-u.ac.jp
①1人で抱え込まない。
②病気について詳しく知る。
③セカンドオピニオンを求めることも。
また、”先生だったらどうしますか?” ”先生のお家族だったらどうしますか?”と逆に質問してみるのも効果があるとのことでした。
脳動脈瘤の手術方法

出典:KNI
脳動脈瘤の手術方法には、①開頭クリッピング術と②血管内治療の2つの方法があります。
開頭クリッピング術は、動脈瘤が埋まっている、脳のしわを丁寧に剥離して、クリップをかけて破裂を予防する手術です。
クリップで動脈瘤の根元の部分を閉塞すると動脈瘤を完全に血流が通わない状態にすることができます。
血管内治療とは、動脈や静脈にカテーテルといわれる細い管を挿し込んで血管の内側から治療する方法です。
コイル塞栓術では、カテーテルで太ももの動脈から入れて、動脈瘤の中にコイルを詰めて動脈瘤の中の血流を遮断します。
開頭手術に比べて体の負担が少なく、短い入院期間で治療できます。
ただ、開頭クリッピング術もコイル塞栓術も、マヒとか言語障害などの副作用を伴いますので、未破裂脳動脈瘤の大きさなども考慮に入れて、手術をするかしないかの判断をする必要があります。
開頭クリッピング術 | コイル塞栓術 | |
手術時間 | 3~5時間 | 2~3時間 |
入院日数 | 12日程度 | 7~9日程度 |
合併症のリスク | 約5% | 約5% |
再手術の可能性 | 1~2% | 5~6% |
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