糖尿病は医者のガイドラインに従うと命が危ない!

週間ポストに糖尿病は「医者のガイドラインに従うと命が危ない」という記事が載っていました。
そして、前号の「糖尿病は『カロリー制限』では治らない」と指摘したレポートは大きな反響を呼び、糖尿病学会が騒然となったと書いてあります。
読んでみると、要するに糖尿病学会のカロリー制限は命が危ないということらしいです。
ほんとにガイドラインに従うと、糖尿病は命が危ないのでしょうか?
そこで、現在の医学の到達点を踏まえながら「カロリー制限は命が危ないのか」について考えてみました。
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カロリー制限が危ないという論拠
糖尿病学会は糖質制限に批判的で、あくまでもカロリー制限にこだわっています。
その根拠は、「日本人の糖尿病の病態に立脚した適正な炭水化物摂取量については、いまだ十分なエビデンスが揃っているとは言えない」ということです。
医者のガイドラインとは?
医者のガイドラインとは、日本糖尿病学会のガイドラインのことです。日本糖尿病学会は、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン」という治療基準を定めていて、大半の医者は、このガイドラインに基いて、糖尿病患者の治療を行っています。
『糖尿病治療ガイド2020-2021』では「食事療法」の記載内容を、『糖尿病診療ガイドライン2019』に合わせ大幅に改訂はしていますが、基本的考え方は従来と変わってはいません。
週間ポストによると、その糖尿病ガイドラインに従うと、命の危険が危ないとうのです。ガイドライン通りの食事で患者が増えたというのです。要するに、糖尿病学会は食事療法としてカロリー制限を採用。「脂肪の摂取を減らすカロリー制限にこだわり、糖質の割合は多い方が良いという」見解をとっており、これが問題だというのです。
ところが、世界に類を見ない疫学研究として評価されている福岡県の久山町研究では、住民の糖尿病についての衝撃的なデータがあるというのです。(週間ポスト)
その衝撃的なデータとは、88年には男性(40~70代)の糖尿病患者が15%だったものが、02年には23.6%へと大幅に増加したという事実です。
02年の全国平均は、12.8%だから、2倍近い数字です。
久山町は、住民の年齢・職業分布が全国平均と同じだから、地域的な特殊性では説明がつかないのです。
久山町で積極的に行なわれてきた食事指導は、総エネルギー摂取量をコントロールし、炭水化物を多く摂らせるやり方だったのです。
だから、この食事指導が糖尿病リスクを高めたというワケです。
また、日本人の糖尿病患者数は、糖尿病予備群も含めると約2000万人超となり、国民の5人に1人が該当します。
2007年に比べると、糖尿病予備群は減っていますが、糖尿病が強く疑われる人は、依然として増えています。
このことからも、糖尿病治療にカロリー制限が適しているのか、疑問が残ります。
それだけでなく、肥満大国アメリカでも04年には米国糖尿病学会が「カロリーを含有する炭水化物、タンパク質、脂肪のうち、炭水化物だけが血糖値を上昇させる」ことを公式見解としたのです。
血糖値の状態をそのまま放っておくと、様々な合併症が起こります。
筋肉の萎縮する神経障害、失明の恐れがある網膜症、週に数回の人工透析が必要になる腎症の3大合併症に加え、脳卒中や心筋梗塞のリスクが高まります。
週刊ポストの主張にはそれなりの科学的根拠があります。
現状、糖質制限食かカロリー制限食がいいかについてはお医者さんの見解が異なるようです。でも患者の健康のことを思えば画一的対応でなく、もっと柔軟に対応した方がいいように思います。