脱腸の症状は画像を見れば一目でわかる!<ためしてガッテン>
Contents
脱腸の原因は腹圧ではない
昔は腹圧が脱腸の原因と考えらていました。
ところが、聖路加国際病院 ヘルニアセンター長の柵瀬信太郎先生によると、脱腸と力みとの関係は全くないということでした。
柵瀬信太郎先生
聖路加国際病院 消化器一般外科 特別顧問 聖路加国際病院 ヘルニアセンター長 ニューヨーク聖路加病院 ニューヨーク ベスイスラエル病院 ロサンゼルス カリフォルニア大学ロサンゼルス校
脱腸の原因は、生まれる前、男女の性別が決まる時期まで遡ります。
未分化の性腺が精嚢や卵巣に変わるとき、精嚢や卵巣が本来収まるべきところに収まるため移動するために、腹壁の穴が開いているのです。
その穴の開いている場所が鼠径部分です。
また、加齢により筋力が衰えてくることにより脱腸になる場合があります。
なりやすい人
誰でもその穴から腸が出てこないように、ヘルニアの防御機構が備わっています。
でも、その防御機構が何らかの原因で弱ってくるとヘルニア、つまり脱腸状態になります。
なぜその防御機構が弱ってくるのかはっきりとした原因はわかっていませんが、運動不足が原因のひとつにあげられています。
特に中年以上の男性に多く見られ、年間およそ14万人が発症しています。
中でも立ち仕事をしている人や便秘、肥満気味の人は要注意です。
女性の場合は、中年以降出産を経験した人に脱腸は多いです。
遅く出産をすると、どうしても太ももの筋肉が衰えやすくなるのです。
男女比4:1で女性の発症者が少ないのは、鼠径管が男性より小さいので、腸が飛び出しにくいからだと考えられています。