【要注意】6週間で腹囲0.5cm増…知らずに続けてしまう習慣とは

「ダイエットには食事と運動が大事」という言葉は、もはや常識として定着している。実際にそれだけで体重が落ちる人もいるが、同じことを続けても一向に変わらない、あるいはじわじわ増えていくという人も少なくない。

この差がどこから生まれるのか、食事でも運動でもなく「睡眠」という切り口から考えてほしい。

よく語られる睡眠不足と肥満の関係は、一晩4時間制限を数日続けるといった極端な条件で検証されたものが多い。しかし現実に多い睡眠不足は、本来7時間半必要な人が仕事や動画視聴で削り、6時間少しになっているというパターンだ。いわば「少し足りない」状態が何年も続いている。

このような慢性的な軽度の睡眠不足が体に何をもたらすかを直接調べたのが、コロンビア大学の研究チームがまとめた研究である。対象は20歳以上で、普段から7時間以上眠っている人たち。一方の期間はいつもどおりの睡眠を6週間、もう一方の期間は就寝時間だけを90分後ろにずらして6週間過ごしてもらった。起床時間は変えていない。

就寝を90分遅らせた結果、実際に減った睡眠時間は一晩あたり平均78.4分、つまり約80分だった。その6週間で何が起きたかというと、体重が0.45kg増え、腹囲が0.5cm拡大し、体全体の体積も0.56L増加した。食事内容も特に変えておらず、変わったのは睡眠だけだ。

研究チームが最初に疑ったのは食べる量の増加だったが、実際にはそれほど変化していなかった。最も顕著に変わっていたのは「座っている時間」で、睡眠を削った期間は1日平均17分増えており、男性と閉経後の女性では約30分に及んだ。誰も「今日は寝不足だから動かないようにしよう」と意識して選んだわけではない。階段よりエレベーターを選び、立てばできることを座ったまま済ませ、洗い物を翌朝に回す。こうした無意識の小さな選択が積み重なって、活動量が静かに減っていった。

同じ参加者を対象とした別の解析では、食行動にも変化が出ていた。睡眠を削った期間は食事の回数が増え、食べるタイミングがばらつくようになり、飽和脂肪や添加糖の摂取量が増える傾向が見られた。「食べすぎに気をつけよう」と意識するだけでは不十分で、座っている時間は別の問題として残り、食の選択自体も無意識のうちに変わっていく。

ダイエット食品には潜在的な危険があると厚生労働省も警鐘を鳴らしているが、そもそも食品の選択以前に、睡眠という土台が崩れていれば体の変化は止められない。何時に起きるかより、何時に寝床へ入るかが体重を動かす要素だったことを、この研究は示している。

有効な対策


1.就寝時間を起床時間と同じ水準の優先度で決めてしまうこと。

寝不足を感じた翌日は90分早く寝床に入るだけで、削れた睡眠を取り戻しやすくなる。

2.日中の活動を気分に任せず「決め事」にしておくこと。

昼食後は必ず体を動かす、1時間に1回は立ち上がるといったルールを設けることで、無意識の不活動を防ぐことができる。

寝不足分をジムで一気に取り戻そうとするより、まず睡眠時間を戻すほうが効率よく体重をコントロールできる。