日本の科学者が「痩せる脂肪」を発見し世界を驚かせた!
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肥満の問題に科学で挑む男
斉藤氏の研究は、肥満が世界的な問題であることを背景に進められました。
世界保健機関(WHO)の調査によると、世界中で14億人が過体重とされ、日本国内でも、予備群も含めて2200万人がメタボリックシンドロームのリスクを抱えていると報告されています。
そんな中、肥満の問題に科学で挑む男がいました。(夢の扉より)
斉藤昌之(北海道大学名誉教授)先生、当時71歳です。
斉藤昌之先生は、自ら実験台となり、大人には存在しないと言われた「褐色細胞」と言う痩せる脂肪を世界で初めて発見したのです。
その発見は、世界の肥満研究者たちをアッと驚かせたのです。
斉藤昌之先生
出典;www.shiseido.co.jp
愛媛大学医学部を経て1989年北海道大学獣医学部教授、2006年天使大学看護栄養学部教授を歴任。2006年より現職。研究テーマはエネルギー代謝と肥満に関する栄養代謝学、特に褐色脂肪組織の役割に関する研究で2001年日本栄養食糧学会賞、2008年日本肥満学会賞などを受賞。
褐色脂肪細胞の発見の経緯
世の中には”食べるのに太らない”人がいます。
一方、”食べないのに太る”人もいます。
その謎をとくのが褐色脂肪細胞だったのです。
褐色脂肪細胞の発見は、大学退任まであと1ヶ月のときでした。斉藤昌之先生が、痩せる脂肪の研究を始めたのは、1,970年代愛媛大学医学部のときでした。その14年後、寒冷刺激でマウスの実験で褐色脂肪細胞が増えることを突き止め、研究論文を発表しました。その時は、世界の反応はほとんどなかったのです。それは、褐色脂肪細胞は大人の人間には存在しないというのが、医学会の常識だったからです。
「愚直に一つのことを続ければ必ず結果は出る」と先輩の須田正己教授に励まされ、研究を続けた結果、大学退任まであと1ヶ月という、ラストチャンスに掛けた実験でついに発見したのです。
大人の人間に褐色脂肪細胞を発見したのは、やっと30年でたどりついた逆転ホームランだったのです。
この医学会の常識を覆す発見に、世界の肥満研究者たちも称賛したのです。