糖質制限メリット、デメリット(本来の目的は?)

糖質制限というと賛成、反対も含めて識者の間でも意見が分かれています。
でもよくよく考えてみたら、糖質制限は本来の目的ではないはずです。
大半の人の本来の目的は”痩せたい””ダイエットしたい””健康になりたい”ということではないかと思います。あくまでも手段です。
手段だと考えれば、好きなものを我慢してまで厳密にやる必要性は感じません。
我慢しないで、本来の目的を実現する方法はいろいろあるはずです。我慢してやると、かえってそれがストレスになり、逆効果にることだってあります。
そのためには、まず糖質制限のメリット・デメリットを押さえておくことは重要です。
糖質制限のメリットとデメリット<阿部博之先生の本より>
私の経験から言うと、どんなに優れた食事健康法であってもメリットと同時に、弊害・デメリットも考えて、対処した方がいいように思います。
偶然にも阿部博幸先生の本に出会いました。
糖質制限ダイエットのデメリットだけでなく、メリットについても書かれてありましたので、それに基づいて私なりにまとめてみました。
是非、参考にしてみてください。
阿部 博幸(あべ ひろゆき) 医学博士。臨床内科専門医、身体障害者福祉法指定医師(心臓及び肝臓)、人間ドック認定医、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、労働衛生コンサルタント、日本シネアンジオ研究会名誉幹事、Fellow of American College of Cardiology、Fellow of American College of Chest Physicians。1964年札幌医科大学卒業。慶應義塾大学附属病院にてインターン終了後、米国留学。ハーネマン医科大学にてリサーチ・フェロー、ペンシルバニア大学フィラデルフィア小児病院およびクリーブランド・クリニックにてクリニカル・フェロー修了。順天堂大学講師、日本大学助教授、スタンフォード大学客員教授、カリフォルニア大学客員教授、杏林大学客員教授を経て、1988年、医療法人社団博心厚生会を設立し理事長を務める。
【メリット】おいしく続けられるNOSHを体験してみた!
食事ダイエットプログラム「NOSH」を2週間した体験結果です。
2週間後計測したら、ダイエット開始時より体重は1.5kg減で、体脂肪率は2%減りました。
糖質制限ダイエットのメリットとしては、次の3つが大きいです。
①血糖値が上がらない。
②膵臓が疲弊しない。
③減量効果が高い。
血糖値が上がらない

出典:taku1902.jp
糖尿病の人が糖質の多いものを食べると、食後2時間の血糖値は軽く200ミリグラムを超えます。
正常な人の場合は140ミリグラム未満ですから、これは大変です。
ある人の体験報告では、この食後血糖値が「20日ほどで170に下がり、ヘモグロビンA1cの数値も8.3%から5.8%に下った」といいます。
すい臓が疲弊しない
すい臓のベータ細胞は、一度機能が低下したら回復が難しいです。
食物からとりいれた糖質を各細胞に送り込んでエネルギー化させるためには、インスリンの助けを借りなければなりません。
糖質が少なければそのぶんインスリンを使わなくて済みます。
その必要量が減れば、インスリンを製造しているすい臓のベータ細胞が疲弊することもなくなります。
減量効果が高い~余分な脂肪はたまりにくくなる
インスリンは糖を全身の細胞に運ぶ働きをしています。
そして、糖質が多いほど大量に分泌され、糖を脂肪として細胞に蓄えます。
これがインスリン=肥満ホルモンと言われる所以です。
また、金スマでは「やせるおかず作りおき」で、伊藤かずえが10kgダイエットに成功したことが紹介されました。
【弊害・デメリット】桐山秀樹氏の急死は?
弊害・デメリットで一番気になるのは、桐山秀樹氏の急死です。
桐山秀樹氏は、「糖質制限ダイエットの第一人者」として有名なノンフイクション作家で、その人が心不全で急死されたのです。
はっきりした因果関係はわかっていないとは言え、特に肉類や油もの摂り過ぎによるコレステロールの増加が原因じゃないかとも思ってしまいます。
糖質制限ダイエットのデメリットとしては、以下の7つが考えられます。
①肉類、油ものの多食がもたらす、コレステロール増加の心配。
②エネルギー不足の心配、そして減量効果はいつか止まる。
③恐い低血糖の心配。
④食物繊維や微量栄養素不足になる心配。
⑤糖質食品は数多く、うっかり食べてしまう心配。
⑥ストレスでどか食いの心配。
⑦要注意!筋肉太りの心配。
コレストロール増加の心配
タンパク質や脂質食が増えると、当然、コレステロールも増えます。
これが血液の粘度をたまった粘度を上げ、ひいては動脈硬化から心筋梗塞、脳梗塞につながる恐れがあると指摘されています。
また、1日に1.5kgの牛肉を40日間食べ続ける実験をした人がいます。
その結果はどうなったと思いますか?
エネルギー不足の心配
人体最大のエネルギー源・糖質の補給が止まれば、当然のことに大きな心配は活動エネルギーの不足です。
糖新生があるといっても、糖質そのものの補給がとだえれば糖新生ができません。
中性脂肪も燃焼できず、減量効果はここでストップです。
「糖質がなくても脂質がその代わりをしてくれるのではないか」と言われるでしょう。
たしかにそのとおりですが、ケトン・エネルギー・システムは基礎代謝力を除けばあくまでも補助的存在です。(糖新生やケトン・エネルギー・システムがよくわからない人は、下のブログ記事を読むとよくわかります)
それにケトン体が過剰になると「ケトン血症」という病気をひき起こす恐れもあるのです。
低血糖の心配
低血糖の心配は当然の話です。
とくに血糖値を下げるクスリとの併用は大変危険です。
その恐さについては、「”低血糖”の恐怖」のブログ記事を読んで頂ければよくわかります。
食物繊維や微量栄養素不足になる心配
食物繊維が微量栄養素が不足すると、老廃物が体内に溜まるようになり、様々な悪い影響が生じます。
スタンフォード大学の研究でも、アトキンスダイエット(極端な糖質制限食)で、食物繊維が極端に少くなった事実が判明しました。
うっかり食べてしまう心配
糖質が多い食品とは、白米のご飯や小麦粉で作るパン、めん類を筆頭に、でんぷん質の多いイモ類やトウモロコシ、レンコンやゴボウなどの根菜類、アボカドを除く果物(ジュースも)、砂糖入りのお菓子はもちろん、ソースや焼き肉のタレ、ケチャップ、佃煮、あらゆる味付け缶詰など多岐にわたります。
砂糖が含まれた加工品も避けなければなりません。
選別はなかなか大変です。
どか食いの心配
ギンギンのご飯派には、糖質制限はかなり辛いものがあります。
ストレスで”イライラホルモン”が出まくると、怒りっぽくなる。”休息神経”の副交感神経が働かず、脳も体も休むことができなくなります。
それに、糖質は食後の満腹感に重要な働きをしていますが、脂質やタンパク質では、いつもお腹が減っている感じでついどか食いしてしまいがちです。
筋肉太りの心配

出典:woman.thenest.com
激しいスポーツをやっていた人が、中高年になってぱったりとやめて、肉や油ものをバクバク食べていると、筋肉太りの心配があります。
筋肉細胞にたっぷりと脂肪がついて、これが糖質の燃焼を妨害してしまうケースがあります。
しかもこれが最近、「糖尿病の原因」としてクローズアップされているのです。
便秘は糖質制限ダイエットの最大のデメリット?
これはNHKの「美と若さの新常識」というテレビ番組でやっていたものです。
京都府立医科大学準教授の内藤裕二先生によると、便秘の人が増えている背景には食事内容の変化が大きいというのです。
つまり、自己流糖質制限ダイエットによって、食物繊維が不足し、便秘を招いていると言うのです。
便秘の患者数は20年前に比べて、なんと2倍以上だそうです。
食物繊維の必要量摂取には糖質が鍵
多くの人が、”自分は毎日、野菜を食べているから食物繊維は大丈夫”と勘違いしています。
野菜=食物繊維というイメージがありますが、実はこれが間違いなのです。
成人女性の食物繊維の目標摂取量は1日18gとされていますが、これを野菜だけで摂ろうとすると、かなりムリがあります。
ランチについてくるサラダの一人前の食物繊維量は約120g程度ですが、これを目標摂取量摂ろうとすると、何と1300gのサラダを食べる必要があるのです。
だから、日本人の食物繊維の摂取量は食生活の変化により年々落ちてきているのです。
ところが、お米などの糖質を摂るようにすると、意外と食物繊維は必要量を摂りやすくなります。
NHK「美と若さの新常識」のテレビ番組ではレジスタンスターチを摂ることを勧めていました。
まとめ
糖質制限というのは、見てきたようにダイエットをする上では欠かせない食事療法であることは間違いないです。
但し、いくつかの注意点が必要なのは明らかです。
そういう点では、糖質制限のデメリットも考慮してやれば鬼に金棒です。
もう一つ重要なのは、痩せるからと言って、我慢しながら糖質制限ダイエットをやるのはいかがでしょうか?
もちろん、我慢してないという人はそのまま厳密に糖質制限ダイエットをやった方がいいと思います。
でも、どうしてもご飯が食べたい、麺が食べたいという方は、むしろ食べた方がいいのではないかと思います。
糖質制限は目的ではなくあくまでも手段ですから、好きなご飯や麺を食べながら本来の目的は達成できます。
例えば、糖質を食べたら必ずサウナに行くとか、夜だけは糖質は食べないとか、とにかく柔軟に考えれば自分に合った方法がいくつもあるはずです。
こう考えると、糖質制限の必要性は感じているが糖質も食べたいと思っている人にとっては、そのストレスから解放されるのではないでしょうか?
楽しい人生を送れるのではないでしょうか?
何かに束縛されて生きるより、自由自在に生きた方が人生は楽しいです♬