歯周病菌が血液に侵入すると心臓病や脳卒中など全身疾患リスクが高まる!
歯周病の影響は口内だけに留まらないことが、近年の研究で明らかになっています。
歯周病は、歯と歯茎の間に生息するバクテリア、特に歯周病菌によって引き起こされます。この菌は、歯茎の炎症や出血を引き起こし、放置すると歯周ポケットの形成、歯の支持組織の破壊へと進行し、最終的には歯の喪失に至ります。
驚くべきことに、歯周病菌が血液に侵入することで、心臓病や脳卒中など、さまざまな全身疾患のリスクが高まるのです。
これらの事実から、歯周病の予防と管理の重要性が改めて強調されます。
定期的な歯科検診、適切な口内衛生の維持が必須であり、歯磨きだけでなく、緑茶うがいや唾液の量を増やすための「あいうべ~体操」など、様々な方法で歯周病菌の増殖を抑えることが推奨されています。
歯周病がただの歯の問題ではなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があることを理解し、日頃からの予防と早期治療に努めることが、健康長寿への鍵となります。
Contents
歯周病の衝撃的事実!
歯周病は単に口の病気ではありません。
歯周病は歯の喪失が最悪のシナリオだと思われがちですが、歯周病菌が血液に入り込むことで、心臓や脳など他の臓器にも影響を及ぼす可能性があることが、医学界で注目されています。
歯周病菌が血液を介して全身を巡ることで、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクが増加する衝撃的事実がわかったのです。
「たけしの家庭の医学」事例より
「たけしの家庭の医学」のテレビ番組に登場した勝田信子さん(56歳)は、健康でこれといって悪いところはありませんでした。
ところが、健康診断でLDLコレステロールが160mg/dl(基準値140)という異常値が見つかってから、次第に胸のむかつき、締め付けられるような痛み、全身のだるさ、息切れと症状が悪化していき、最後に胸の激しい痛みに襲われ、そのまま意識を失ってしまいました。
心筋梗塞で病院に運ばれたのです。
ところが、なんと心筋梗塞を引き起こした真犯人は血管の中の歯周病菌だったのです。
鈴木淳一先生(東京大学医学部附属病院)によると、血管の中に侵入した歯周病菌は体中を巡り心臓へ流れ着き、血管の壁に張り付いて、血管の壁が炎症起こすので、動脈硬化の原因になるとのことです。
歯周病菌が原因の病気は、心筋梗塞だけではありません。
歯周病が原因となる動脈硬化は全身の血管で起こる可能性があります。
それで脳で動脈硬化が起こると、それが脳梗塞を引き起こします。
歯周病の人は上のグラフによると、脳梗塞のリスクは2.8倍、狭心症・心筋梗塞のリスクは3.6倍となっています。
肝臓の炎症も
アルコールを全く飲まず、肝炎ウィルスにも感染していないのに、肝炎を発症する人が数多く存在することが明らかになってきました。
実は、歯周病にかかっていると肝臓の炎症を発症するという事実もわかってきたのです。
横岡玲さん(43歳)は、生活習慣の乱れから脂肪肝になりました。
そして、それを放置し続けた結果、肝炎になってしまいました。
歯周病菌が肝臓に到着すると、肝臓は刺激物質を出して歯周病菌を退治します。
健康な肝臓は刺激物質の影響を受けませんが、脂肪肝の場合、刺激物質が過剰に反応し、細胞が炎症を起こすのです。
そして、長い年月をかけて脂肪肝が肝炎へと進行していくのです。
横岡玲さんもその1人で、脂肪肝になり何度も注意を促されましたが、そのことを軽視したため、肝炎を発症してしまったのです。
そして様態が悪化し、中島淳先生にかかって初めて、肝炎の原因が歯周病菌だということがわかったのです。
中島淳先生(横浜市立大学大学院 医学研究科 主任教授)は、肝炎研究の先進国・アメリカのハーバード大学で最先端の治療法を学び、これまで700人以上に及ぶ肝炎患者の治療にあたってきた肝炎研究のエキスパートです。(みんなの家庭の医学より)